最終更新日2024.1.20(公開日:2023.4.17)
監修者:営業責任者 渥美
私たちが日々の生活の中で遭遇する、医療や年金などの保障制度について、知っている人は多いと思います。
しかし、その背景にある制度とはどのようなものなのか、正確に理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、「社会保険に加入することのメリット」について紹介します。
これは、基本的に労働者が加入することで、病気・ケガ・出産・老齢などの場合に、医療費や生活費などの支援を受けられる制度です。
国民全員に該当する国保に加え、企業や公務員等に勤める労働者には、労働者健康厚生年金・介護など、それぞれの立場に応じた保険が用意されています。
厚生年金、健康保険、介護保険などを合わせて狭義の社会保険と呼ばれています。
社会保険料は毎月の給与から差し引かれ(賞与からも差し引かれます)、徴収は日本年金機構が行います。
また、社会保険料は被保険者と事業主の労使折半で半分ずつ負担します。
なお、制度の改革が進む中、現在、国保は加入可能な範囲が限定されており、国民年金証書の交付も終了しています。
今後は、国内外に所得源を持つ個人については、厚生年金に加入が義務付けられ、年金額も引き上げられるとの方針が示されています。
社会保険の加入要件は2つあります。
この2つを満たしている場合、必ず加入しなくてはいけません。
2022年10月より従業員数が101人~500人の企業に対して、2024年10月から従業員数が51人~100人の企業に対して社会保険の加入要件が拡大します。
追加項目として
社会保険の加入要件拡大は現代社会の大きな問題でもある「高齢化社会」が背景としてあります。
65歳以上の高齢者が総人口の30%の約3,600万人になり2055年には総人口の40%の約4,000万人になると言われています。
社会保険加入に加入することによって、出産、病気やケガなどが起きた場合も安心して生活を送ることが出来ます。
特に、医療保険には、病院等での診療費や薬局での薬代、入院費用や検査の自己負担金が免除される特例や、解約返戻金が支払われる制度(生保でいう返戻率のようなもの)など、多くの恩恵があります。
厚生年金保険に加入することで、老齢や障害が原因で働くことができない場合に年金を受け取ることができます。これにより、将来にわたって収入の補填が可能となります。
国民年金が一律の受給額であることと違い、収入と加入期間によってその額が変わってきます。
健康保険に加入するメリットの一つは、国民健康保険と比較して、より広範囲な医療サービスが受けられることです。
また、保険料に関しても国民健康保険は全額自己負担であることに対し、健康保険(社会保険)の方は保険料が労使折半となります。
他にも労働者が業務中に感染症にかかった場合に対応する新型コロナウイルス感染症等対処特別措置法や新型インフルエンザ等対策特別措置法についても、特措法保険などが設けられ、支援措置が取られるようになりました。
これは、国民の安全・安心を守るための立派な制度である一方、所得税との関係についても考える必要があります。
社会保険と所得税は、直接の関係はありませんが、所得税の税率を決めるうえで、健康保険料などが所得から控除された金額を基準に計算されます。
また、労働者が支払う健康保険料や厚生年金保険料、介護保険料等は、基本的に所得から天引きされます。
近年では、社会保険料・健康保険組合費の所得控除から労災保険料が除外されたり、社会保険料の非課税上限額が引き下げられたりするなど、改定点が相次ぎました。
厚生年金に加入していないと、将来の年金受給額が国民年金に比べて低くなる可能性があります。
突然の病気やケガにより、高額な医療費がかかる場合、社会保険の補填が受けられず、自己負担が必要となります。これにより、大きな経済的な負担が生じる可能性があります。
他にも加入要件を満たしていながら、社会保険に未加入の事業所は6か月以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金を科せられる可能性もあります。
年金事務所の調査により強制加入手続きが行われた場合、2年遡って社会保険料を支払わなければならなくなることもあります。
さらに社会保険に加入していない場合はハローワークへの求人がかけれないということもあります。社会保険の加入は社会的信頼感を得ることでもあり、そこで働く者への安心感を与えるものでもあります。
最後に、社会保険と未払い保険料について触れておきたいと思います。
社会保険に加入することは、その人が国民としての責務を果たすことを意味します。
一方で、所得が少なかったり、事業が縮小したりすると、支払いが困難になることもあります。
しかし、一時期の未払い期間があるだけでも、厚生年金の受給額が減額されることがあります。
また、未払いが長期化すると、解約・抜け等による権利の消失に至る場合もあります。
未払い保険料問題に対して、一定の手段が用意されています。
たとえば、国民健康保険の場合、加入者自身が市町村役場などに出向き、未納の分を分割支払いできる手続きを行うことができます。
また、健康保険(社会保険)・厚生年金保険についても、支払いに困難を抱えた場合には、年金事務所に相談することで、分割払いや減免、支払猶予などの措置が受けられる場合があります。
しかし、長期にわたる未払いや解約によっては、最悪の場合、治療や介護を受けられないことになりかねません。
これは無駄な費用ではなく、万が一の際に自分自身や家族を守るための費用であり、未払いを避け、着実に支払う必要があります。
社会保険は労働者が加入することで、病気・ケガ・出産・老齢などの場合に、医療費や生活費などの支援を受けられる制度です。
それによって、万が一の場合にも安心して暮らすことが出来ます。
ただし、未払いには注意が必要であり、適切に支払わなければなりません。
これに関する制度や負担額について、正確に理解することで、自分自身や家族の将来に備えることが大切です。
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