起業者方向け、雇用保険についてわかりやすく解説 - 横浜の社会保険労務士

最終更新日2023.6.19（公開日：2023.6.19）
監修者：営業責任者 渥美

はじめに

この制度は、失業保険や雇用調整助成金など、雇用の安定化に向けて支援するための制度のことです。

主に長期の雇用が困難な雇用形態や、解雇された労働者の収入補償を行うことで、労働者の雇用環境の改善を目指しています。

日本では、世界恐慌や第2次世界大戦後の経済混乱、雇用減少などの社会的背景により、1947年に労働者保護法が制定されました。

ここで、雇用・失業保険が整備されることとなり、1962年には労働者健康保険や労災も加わり、この制度が確立されました。

今回は雇用保険についてわかりやすく解説していきます。

雇用保険とは

それは、失業者が職探しをする間、一定期間にわたり一定の収入を得ることができる制度です。

現在、加入対象となる者は、次の2つのグループに分かれています。

1. 普通被保険者：正社員、派遣社員、単発のアルバイトなど、労働条件が一定の労働者全般

2. 特定被保険者：加入義務のない法定雇用保険制度に基づく特例的な受給者、短期のアルバイトや派遣社員など

制度

次のような具体的な制度があります。

1. 失業保険：退職金とは異なり、失業したときに生計を維持するための受給者支援措置です。

2. 再就職支援制度：有効求人および求人情報を提供します。

3. 雇入れ助成金：新規雇用や雇用維持に対して、給付金が支払われる制度です。

4. 雇用調整助成金：景気動向や企業事情により、業務の縮小・縮小などの事業適正化に対し、財政面で支援を行う制度です。

以上の制度により、失業者や雇用者を支援することで、雇用の安定化と就業環境の改善に貢献しています。

雇用の減少や景気不況などで収入が途絶えた労働者を支援し、失業中の人々が就職するまでの間、生活費を確保することができます。

また、企業が業務縮小や企業風格の改革などを行うとき、経済的な面からも支援を行う制度です。

加入

この制度は、国民全体の社会保障制度の一翼を担うものであり、労働市場と社会保障制度のバランスを維持する重要な役割を持っています。

政府によって財政的責任がありますが、企業と従業員の負担もあります。

保険料

加入に対しては、企業と従業員の双方から保険料が徴収されます。

企業側は、労働者1人あたりの給与の一定割合を納入します。

料率は、企業の事業種別や業界、従業員人数などによって異なります。

一方、従業員には、日本で働くすべての労働者が加入しており、給与所得に対して差し引かれています。

納入により、労働者は失業した際や、解雇などにより給与が減少した際に受給することが可能です。

失業

失業保険を受け取るためには、次の条件が必要になります。

1. 制度に加入していること。

2. 不本意な事情により雇用契約が解除された場合に限り、受給が可能である。

3. 自己都合による退職、契期満了による解雇など、労働者の責任による雇用契約解除によって受給が困難である。

この制度は、雇用の安定化を目的としており、政治的、社会的に重要な制度です。

国民全体の福祉を確保するために、雇用者や労働者の協力によって運用されています。

この制度には、補償を受けることができる期間が決められており、最初の2週間には補償を受けることはできません。

また、補償を受けるためには、一定の手続きや条件が必要になるため、事前に正確な情報を収集することが大切です。

この制度は、日本の社会保障制度の総合支援として重要な役割を担っています。

一方で、この制度を利用する際には、正確な情報や手続きの熟知などの条件を満たす必要があります。

労働者や企業は、自己流の情報収集だけではなく、公的機関などの正確な情報源を利用し、正しい手続きを実施することが重要です。

制度の新規加入

法人化した会社が社会保険に新規加入する場合は、まず、労働保険事務所や社会保険労務士に相談することをおすすめします。

以下は、一般的な手順です。

1. 雇用保険の申請

まず、制度に加入するために、申請を行います。

申請に必要な書類や手続きは、国の労働保険事務所に確認する必要があります。

2. 労働保険の申請

次に、労働者健康保険および労働者災害補償保険の申請を行います。

これらには、事業主と従業員が加入することが義務付けられています。

申請に必要な書類や手続きは、国の労働保険事務所や社会保険労務士に確認する必要があります。

3. 社会保険料の納付

申請が完了したら、支払いが必要です。

納付には、事業主と従業員の両方からの負担があります。

納付方法は、口座自動振替などがあります。

以上の手順に従って申請を行うことで、法人化した会社で新規加入することが可能です。

ただし、申請手続きが複雑であるため、労務士に相談することをおすすめします。

法人化した会社がに新規加入していないとどうなるのか？

法人化した会社が、新規加入せずに従業員を雇用する場合、次の点に注意が必要です。

1. 法律違反になる可能性があります。

それは、従業員が受け取る権利の1つであり、一定の勤務期間を経た後に失業や病気、出産、ケガなどで収入が減った場合に必要な支援を受けることができる制度です。

法人化した会社がこの加入を怠った場合、法律に従わないことになります。

2. 雇用維持や経営に不利益が生じる可能性があります。

従業員に対する報酬や待遇は企業の信頼性に直結するため、一定の賃金水準を維持することは必要不可欠です。

加入し、従業員に対して最低限の社会保障を提供することが重要なことになります。そうしないと、従業員の不満や解雇に至るリスクも高まります。

3. 不測の事態に対処できなくなる可能性があります。

この制度は、従業員が収入を得られないリスクに対して保証を提供することが求められています。

業務継続性の確保や従業員の保護に貢献することが求められます。

ウイルスのパンデミックが発生した際には、企業の存続に多大なリスクをもたらすことが明らかになりました。

以上の点から、法人化した会社が新規加入しないことは、従業員の保護やビジネスの存続を脅かすリスクがあるため、適切ではありません。

まとめ

この制度は、雇用維持を図るとともに、失業者の支援を行うために、国が企業や被保険者から収納する保険料等の財源をもとに運営される制度の1つです。

失業者自身の努力で就業が困難である場合に政府からの支援を提供するもので、失業保険とも呼ばれています。

企業に加えて、雇用維持に必要な給付や支援を受けるために、労働者にとっても非常に重要な制度です。

また、豊富な支給制度とともに、失業時の生活の安定や再就職への支援など、適時的かつ適切な支援が行われることで、大きな経済効果とともに、日本経済の発展にも大きく貢献しています。