労務管理を怠るとどのようなリスクがあるか4つのポイントで解説
最終更新日:2023.3.17(公開日:2023.3.17) / 監修者:営業責任者 渥美
労務管理を怠るとどのようなリスクがあるか4つのポイントで解説

最終更新日2023.3.17(公開日:2023.3.17)
監修者:営業責任者 渥美

労務管理を怠るとどのようなリスクがあるか4つのポイントで解説

はじめに

近年、働き方改革の重要性が叫ばれる中、企業においても労務管理は改善が求められています。

人材確保や定着、生産性向上など、企業の持続的な発展には、これらの管理の重要性が高く、今後ますます需要が高まることが予想されています。

本記事では「労務管理とは」について、詳しく解説していきます。



労務管理とは

経営者や管理職、人事部門の担当者が、企業における従業員の労働条件、福利厚生、キャリアアップ、労働時間などの管理・運営を行うことを指します。

企業においては、人材の採用、育成、定着、退職も含めた人事管理全般を担当する人事部門が中心的な役割を担います。

また、従業員の勤怠管理、労災、健康管理などについては、管理職や「安全衛生委員会」が担当する場合が一般的です。

最近では、さらに福利厚生の充実や、従業員のストレスケアなども重要視され、会社によっては、「 wellbeing 」として、従業員の生活全般に関わるポリシーが打ち出されるところも増えてきています。

一方で、人手不足や女性が活躍しやすい職場づくり、時短勤務の導入、柔軟な働き方の提供など、働き方改革に対する要望が高まっており、完全出来高制度や、育児休暇の調整、外出やリモートワークの許容など、柔軟な労働条件の提供が求められています。


労務管理の重要性

管理をきちんと行うメリット

管理をきちんと行うことで、企業は以下のようなメリットを享受することができます。

・生産性の向上

生産性がアップすることで、企業は利益を増やすことができます。
生産性向上には、労働環境の改善、社員の心理的ニーズに配慮することが効果的だと言われています。

・企業ブランドの向上

社員が安心して働くことができる職場環境を提供することで、企業のブランドイメージが向上することが期待できます。

・コスト削減

管理がきちんと行われることで、受けるリスクも少なくなり、コスト削減につながります。
従業員の不満が解消され、適正な条件で働くことができるため、企業は離職率の低減が期待できます。

・法令遵守

労働契約の作成や、法律に沿って労働条件を整備することで、企業の法令遵守が期待できます。
そのため、社労士や労管理というと、従業員と企業側とのトラブルが勃発した時にしか関わらない存在だと思われている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、労務管理は、普段からの労働環境や待遇に取り組むことで、トラブルを防ぐだけでなく、生産性向上や従業員の定着の促進など、企業にとってさまざまな効果を生む重要な役割を担っています。

企業内で労務管理に携わる

具体的には、企業内における以下のような立場の方が、管理に携わることがあります。

・人事担当

人材の採用、育成、定着、評価・昇進、給与制度等の人事全般を取りまとめる方。

・安全衛生担当

職場の安全・衛生を管理し、事故や疾患の予防と早期対応に取り組む方。

・法務担当

法的観点から、企業における法律関係業務に携わる支援業務を行う方。

・経営者

企業全体の方針や経営戦略に沿って、労働環境や労働制度の改善、従業員のトラブル解決に取り組む方。



従業員が働きやすい環境や待遇を作ることで、業績の向上につながるため、企業全体で管理に取り組むことが求められています。

また、一部の企業では、欧米から輸入された「ウェルビーイング(wellbeing)」という概念を取り入れ、ストレスを軽減し、仕事とプライベートの両立を目指すポリシーも打ち出されるようになってきています。


労務管理を怠るとどのようなリスクがあるか

1.法令違反リスク

労働基準法や労働安全衛生法、労災保険法など、従業員に関する法律・制度が次々と改正され、複雑化しています。
適正な労働条件や理不尽な解雇を行うことで、企業側が法令違反に該当する可能性があります。
法令違反を犯すと、罰金や損害賠償請求、労働組合からの提訴などのリスクがあります。

2.労働紛争リスク

従業員が、適正な賃金・待遇、適切な労働環境などを求めてストライキやデモ、裁判などの社会運動を行うこともあります。
また、ハラスメントやいじめなどの問題があると、従業員側から不満の声が上がり、企業のイメージダウンや退職・転職を促すこともあります。
誠実な管理を怠った企業は、いつ何時、労働紛争に発展する可能性もあります。

3.人事リスク

適正な人事評価を行わず、能力や実績に応じた報酬を与えない場合、優れた人材が退職したり、採用した新しい人材が適切なポジションにつけられず、定着しなかったり、社員のモチベーションが下がるなど、企業にとってマイナスの影響を与えるリスクがあります。

4. 勤怠管理リスク

正確な労働時間や時間外労働手当の支払いを怠ると、労働基準法に違反することになります。
さらに、過剰な労働時間や長時間労働が原因で健康被害や疾患を発症するケースもあります。
企業は、正確な勤怠管理を行うことで、従業員や企業自身の健康管理にもつながります。



以上のように、管理を怠ることは法令違反や労働紛争の原因になってしまい、企業にとって大きなリスクとなります。

企業は、管理を怠らず、社員が働きやすい環境や待遇を整備することで、社員定着や生産性向上につなげることが大切です。


まとめ

労務管理とは、企業内の人事、安全衛生、労務、法務など、各部門が協力して、従業員の労働条件、福利厚生、キャリアアップ、労働時間などの問題に取り組むことです。

管理をきちんと行うことで、企業は生産性の向上やブランドイメージの向上、コスト削減、法令順守などの効果が期待できます。

働き方改革などによって、企業に求められる課題が変化している中、企業がよりよい労働環境を提供することで、従業員の定着を促し、会社全体の発展につなげることが期待されています。

務管理を怠ると法令違反や労働紛争の原因になってしまい、企業にとって大きなリスクとなりますので注意していきましょう。

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