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高年齢者雇用安定法が改正、施行!

top202104.jpg高年齢者雇用安定法が改正、施行!
~改正のポイント~


 4月1日より「改正高年齢者雇用安定法」が施行されました。「70歳就業法」とも言われるこの法律改定、何が変わったのか、どのような対応が必要なのか、ポイントを確認していきます!


◆ 改正高年齢者雇用安定法...? ◆

 従来の高年齢者雇用安定法から何が改正となったのでしょうか? 大きなポイントは【70歳までの就業確保】が盛り込まれたことです。このため「70歳就業法」と言われたりします。saikoyou1.jpg

☆ 70歳までの就業確保

今までの高年齢者雇用安定法は、

■60歳未満の定年の禁止
■65歳までの雇用確保措置を講ずること(以下のいずれか)
 ・65歳までの定年の引き上げ
 ・継続雇用制度の導入
 ・定年制の廃止

といったことが定められていました。これが今回の改正で、上記の要件にプラスして、

■70歳までの安定した雇用の確保に努めなければならない

と変更されました。

 今回の改正はあくまで、努力義務であり、罰則の適用はありません。ただ、罰則がないからといってなんの対応もしないとハローワーク等の指導対象となり、指導に従わなかった場合で就業確保状況が改善していないと認められるときは、70歳までの就業確保措置の実施に関する計画書作成の勧告が出され、それでも従わなかった場合は、必要に応じ厚生労働大臣名で企業名が公表され、ハローワークでの求人不受理や紹介保留、助成金の不支給等の措置が取られますので、注意が必要です。


◆ 70歳までの就業確保とは...?! ◆

それでは、70歳までの就業確保とはどのような措置をいうのでしょうか? なお、今現在、定年制を廃止している企業は、すでに「措置を講じている」状態となっているため、今回の改正施行では特に何かする必要はありません。

【就業確保に努めなくてはならない対象事業主】

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 特殊関係事業主とは、グループ関連会社を言います。今回の改正では、グループ関連会社だけでなく、他の事業主つまり全く関連のない他社での再雇用(再就職)でも良いとされ、範囲が広がりました。なお、この場合、自社と再雇用先との間で、高年齢者を継続して雇用することを約する契約を締結する必要があり、また、自社やグループ関連会社では都道府県労働局長の認定を受けることにより「無期転換ルール」の特例(有期契約更新が通算5年以上となっても、無期転換申込権が発生しない)が適用となりますが、グループ関連会社以外の他社で再雇用となった場合は、この特例は対象外となります。

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さらに、以下の雇用によらない措置(創業支援等措置)も選択できるようになりました。

  1.  70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
  2.  70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
    ・事業主が自ら実施する社会貢献事業
    ・事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

なお、上記の場合も、他社での再雇用の場合と同じく、自社と団体との間で、高年齢者を継続して雇用することを約する契約を締結する必要があります。

創業支援等措置を実施する場合は、

1. 計画を作成する
  創業支援措置を講じる理由、高年齢者が従事する業務の内容に関する事項、
  高年齢者に支払う金銭に関する事項、契約を締結する頻度に関する事項、
  納品に関する事項、契約変更、終了に関する事項、安全・衛生に関する事項
  社会貢献事業を実施する団体に関する事項など
2. 計画について、過半数労働組合等の同意を得る
3. 計画について、労働者へ周知する

以上のように、創業支援措置についての計画を作成等することが求められています。


 創業支援等措置では、『雇用』という就業ではなくなるため、『労働roudousha.jpg者』保護の各種保険(労災保険や雇用保険)の適用がなくなります(要件を満たせば特別加入できる場合もあります)。自分で国民健康保険へ加入しなくてはなりませんし、何かあっても「会社」を頼ることは出来ません。今まで労働者であったため、手続きをどうしたら良いのかわからないといったことも考えられます。創業【支援】ですから、そのあたりもしっかりと説明するようにしましょう。

◆ 改正の背景と今後・・・? ◆

 今回の改正は急速に進む少子高齢化に対応するものと考えられます。元気な高齢者の就業機会を増やす...といえば聞こえはいいですが、一方で年金開始年齢の引き上げが見え隠れします。60歳 → 65歳までの定年の引き上げも、最初は努力義務でしたが、義務化されたことを考えると今後、この70歳就業の努力義務が義務化されることも可能性としては大いにあります。また今後定年がなくなるとなった場合(解雇か自己都合退職しかなくなる)、退職金をどうするのか? など企業として対応していくべきことは他にもあり、また、労働者としても引き際(退職)を考えないといけないようになっていくのかもしれません...。

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