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今年の年末調整!ここに注意!

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  ~年末調整の改正点・ポイント~

 だいぶ肌寒くなってきました。この時期になると気になってくるのが『年末調整』です。毎年のことですが、今年は大きな税制改正があり、年末調整も変更点が多くなっています。1年間の給与総額を確定するとともに納税額を正しく計算する大切な業務です。book.jpg

改めて年末調整業務を確認するとともに、今年の改正点とポイントについて詳しく解説します。

年末調整ってなに・・・!?

そもそも年末調整とはなぜ? どうして必要なのでしょうか?
社会保険料や雇用保険料など給与から控除されているものは様々ありますが、給与があれば毎月控除するものの一つに「所得税」(+復興特別所得税)があります。この所得税(もちろん源泉徴収税額表というものに則った計算ですが)、実は「大体このくらいかな?」で毎月控除されています。その年により、誕生や就職により扶養の人数が増減したり、昇給や賞与で給与額が異なるため、どうしても毎月の控除額と正しい年税額とが合わなくなってしまいます。このため、年間の給与総額が確定する年末に税額を正しく計算し、過不足を還付精算する仕組みが「年末調整」になります。

年末調整をすると、だいたい「還付」(税金が戻ってくる)となるので、年末の給与は普段より手取りが多いのがアタリマエと思っている方が多いですが、扶養人数が減った、大きく昇給した、賞与がかなり多かった、などの場合は「不足」となり、手取りがいつもより少なくなることもあります。特に子供が就職して扶養から外れたことを会社に申告せず、年末調整時に申告する場合などは控除額も多くなるので注意しましょう。hoken.jpg

基本的に年末調整の対象となる人は、「12月給与支払い時に在籍している人」となります。社員でもパート・アルバイトでも同様です。
ただし、年収2,000万円超となる人、2か所以上から給与支払いを受けており他社に「扶養控除等(異動)申告書」を提出している人は対象外です。


今年の年末調整、改正点は・・・!?

税制改正がなされ、年末調整申告様式も変更となっています。それぞれポイントを確認していきましょう。

◆ 基礎控除の引き上げ・給与所得控除の引き下げ ◆

基礎控除の金額が収入金額に関係なく一律38万円だったものが、48万円に引上げとなりました。基礎控除とは、所得者本人の合計所得金額から控除することができるものです。改正で合計所得が2,500万円以上の場合は適用がありませんが、年末調整を行える人は、給与収入が2,000万円以下の人のため、自社での給与のみの場合(他の不動産所得等がない)で年末調整をする場合は、全員が基礎控除48万円となります。

基礎控除が引き上げとなりましたが、給与所得控除は引き下げとなりました。改正前65万円でしたが、55万円へ引き下がっています。基礎控除の引き上げ額と給与所得控除の引き下げ額が同じ10万円ですので、給与所得控除の上限額に該当しない場合は、相殺となるので特に影響はありません。ただ給与所得控除の上限額が給与年収1,000万円から給与年収850万円まで引き下がったので、給与年収850万円以上の人は後述の「所得金額調整控除」の適用該当者以外は、増税となります。

この改正に伴い、「給与所得者の基礎控除申告書」が新設され、様式が変更となっています(記載自体は、「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」にまとまっています)。

◆ 所得金額調整控除の創設 ◆

上記のように給与収入850万円以上の人は増税対象となりますが、子育て世帯等一定の要件に該当する場合には、新たに最高15万円の所得金額控除の調整が行われることになりました。これにより、実質改正前の税額と同じとなります。

〇所得金額控除対象者 
給与収入が850万円を超える者で以下に当てはまる場合
  ・自身が特別障碍者
  ・年齢23歳未満の扶養親族を有する者
 ・特別障碍者である同一生計配偶者もしくは扶養親族を有する者

また、この所得金額調整控除は、共働きの場合で夫婦どちらも給与収入850万円以上で23歳未満の扶養親族等がいる場合、それぞれで適用を受けることができます。
 ※ 16歳以上の扶養控除は共働きの場合、どちらか一方のみ適用です。

適用を受けたい場合は、必ず、「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」(基・配・所)の一番下の段にある、所得金額控除申告書に記載をしてください。

◆ 扶養配偶者等の合計所得金額要件の見直し ◆

給与所得控除の引き下げに伴い、同一生計配偶者、扶養親族、配偶者特別控除対象配偶者の合計所得金額要件等が10万円引き上がりました。ただ、給与収入のみですと、例年と変わらず、hoknekojyo.jpg

 ・同一生計配偶者、扶養親族 → 103万円以下
 ・配偶者特別控除対象配偶者 → 103万円以上201万6千円以下

以上に該当する配偶者等が適用となります。

◆ 寡婦(夫)控除の改正・ひとり親控除の創設 ◆

従来の寡婦(夫)控除では未婚のシングルマザー等は対象外でしたが、今回の改正でひとり親控除が創設され(特別の寡婦、寡夫控除は廃止となりました)、全てのひとり親家庭について控除対象となりました。なお、事実婚または内縁関係となる場合は適用外です。
令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書には、ひとり親の選択肢がないため、今までチェックをつけていた寡婦等を二重線で消し、ひとり親と記載してください。また、特別の寡婦または寡夫にチェックをつけていた場合、ひとり親控除対象でなくなった場合、二重線で消し込みをしてください。


「ひとり親控除」「寡婦控除」対象チェックシート!

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給与を2箇所以上からもらっている、住宅ローン控除の初年度である等、社員であっても年末調整不要(確定申告をする)の方もいますが、毎年添付証明書不足や確認事項も出てくるため、準備は早めに行いましょう。

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