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テレワークでの注意点!

テレワークでの注意点!

   ~ テレワークうつを防ぎ、業務効率化を進める②
テレワークでの注意点

テレワークへの転換、定着に伴い都心でのオフィス解約の動きが広がってきているというニュースを目にしました。景気の悪化も加わり、広いオフィスを維持し、社員全員が集まって仕事をする働き方から、今後はテレワークが基本となる企業もさらに増えてくる可能性があります。
今月は先月号に引き続き、テレワークうつの防止や、その他テレワーク制度の運用にあたっての注意点など、今後の多様な働き方のひとつとなっていくテレワークについて特集します。


長時間労働の抑制...!

テレワークではどうしてもオン・オフの切り替えが難しく、ダラダラと仕事をしてしまい、結果長時間労働となってしまうことがあります。テレワークであっても、会社が労働者の労働時間の適正な把握を行うことは変わりありません。
長時間労働対策としては、以下の手法が厚生労働省のガイドラインで示されています。

① メール送付の抑制
 役職者等から、時間外、深夜、休日等のメール送付の自粛を命じる!
   
② システムへのアクセス制御
 社内システムに外部のパソコン等からアクセスする形態の場合、深夜・休日はアクセスできないよう設定!

③ テレワークを行う場合の時間外労働等の原則禁止
 時間外・休日・深夜労働を原則禁止とする。もし行う場合は、許可制とすることなどを就業規則等に明記しておく!

④ 長時間労働を行う労働者への注意喚起
  長時間労働が生じるおそれのある労働者や、休日・深夜労働が生じた労働者に対して、注意喚起を行う!


 時間外、休日または深夜に、業務にかかわる指示や報告等のメールが送付され、それにすぐ対応しようとすることで長時間労働が生じることや、「いつでも」仕事ができるという思いから長時間労働になりがちです。会社としては、各労働者の労働時間を常に把握し、記録をもとに注意喚起をしたり、システムを活用したりして、自動で警告が通知されるような方法も有効とされています。


■テレワーク勤務規定(規定例)


時間外労働等を所属長の許可制とする場合

第〇条

  1. 在宅勤務者が時間外労働、休日労働及び深夜労働をする場合は所定の手続きを経て所属長の許可を受けなければならない。
  2. 時間外及び休日労働について必要な事項は就業規則第〇条の定めるところによる。
  3. 時間外、休日及び深夜の労働については、給与規程に基づき、時間外労働手当、休日勤務手当及び深夜勤務手当を支給する。

時間外労働等を原則認めない場合
第〇条

  1. 在宅勤務者については、原則として時間外労働、休日労働及び深夜労働をさせることはない。ただし、やむを得ない事由がある場合は所定の手続きを経て、所属長の許可を受けなければならない。

 2~3(同上のため省略)

 なお、所用を行うために休憩時間を延長する、いわゆる「中抜け」については、使用者が業務の指示をしないこととし、労働者が労働から離れ自由にその時間(中抜け時間)を利用することが保証されていれば、終業時刻の繰り下げなどの所定労働時間の変更は可能です。この場合、あらかじめ就業規則に規定することが必要です。
 この他、終業時間の繰り下げをせず、時間単位の有給休暇として取り扱う場合は、労使協定の締結が必要です。



4つのケア...?!

 実はメンタルヘルス不全は、社会不安が急激に増加する時期より、少し落ち着いた時期の方が4tunocares.jpg出やすいことがわかっているそうです。まだまだ新型コロナウイルスの新規感染者は増え続けていますが、一時に比べると緊張感は少し落ち着いてきたように感じられます。もちろんそのことが緩みに繋がり、感染爆発を起こすことがないようにしなければなりませんが、「日常」が少しずつ回ってきている時期だからこそ、メンタルヘルス不全については注意が必要となります。

 テレワークうつ等を防止するメンタルヘルスケアは、「4つのケア」が重要とされています。「セルフケア」「ラインケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」の4つです。

1) セルフケア

 労働者自身によるストレスケア。ストレスチェックなどで本人への気付きへのきっかけづくりを行ったり、メンタルヘルスの情報提供を会社が支援します。selfcares.jpg


2) ラインケア

 管理職による日常的なケア。「いつもとは違う」をキャッチし、話しを聴き、ときには産業医等のところへ相談や受診を促すことが大切です。ただ、テレワークとなると格段にコミュニケーションの機会が減り、変化に気づくことが遅れがちです。このため、労働時間の把握やメールだけでなく、前号でご紹介した顔を見ながら仕事以外でのオンラインミーティング等も重要となってきます。


3) 事業場内産業保健スタッフ等によるケア

 セルフケア及びラインケアが効果的に実施されるよう労働者、管理職に対する支援を行い、メンタルヘルスケア対策の企画立案を行います。産業医、衛生管理者、保健師、産業カウンセラーなどの心の健康づくり専門スタッフ等を確保し活用することが望ましいとされていますが、中小企業では人事労務管理スタッフから専任することも可能です。
管理職だけでは解決できない職場配置、人事異動、職場の組織等の人事労務管理がメンタルヘルスに及ぼしている具体的な影響を把握し、労働時間等の労働条件の改善及び適正配置に配慮します。


4) 事業場外資源によるケア

 事業場の外部の専門的な機関や専門家を活用して支援をうけることです。特に労働者によっては相談内容等を会社に知られることを望まない場合にも効果的とされています。現在、直接相談等に行くことがハードルとなっている場合は、オンラインでの相談等を受け付けている医療機関もあります。中小企業では必要に応じて地域産業保健センター等を活用すると良いでしょう。jigyogaicares.jpg

 この他、育児や家事をしなくてはいけない、夫婦または親ともにテレワークとなり、「家の中で仕事をする」こと自体にストレスを抱えてしまう人もいます。テレワークの場所を自宅限定とするのではなく、近くにサテライトオフィスを設置する、またはホテル等のテレワークプラン利用助成など、柔軟な対応も業務効率を上げ、気分転換となりテレワークうつを防ぐことにつながるため、可能な場合は検討されても良いでしょう。

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