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今年の社会保険料の算定基礎における注意点

一時休業した場合の留意点など

今年の社会保険料の算定基礎における注意点

新型コロナウイルスの影響で、感染拡大防止のために従業員たる被保険者を一時的に休業(一時帰休)させ、休業手当を支払った会社も多くあります。これから社会保険料の算定時期(7月1日~7月10日)を迎えますが、このような場合の算定にあたり留意すべき点についてまとめました。

● 社会保険料の洗い替え
 社会保険料は、毎年4月、5月、6月の支払報酬を基礎に洗い替えをしなければなりません。これを「算定基礎届」による定時決定といいます。この定時決定は、毎年7月1日現在で使用される被保険者(随時改定予定者等を除く)について、前述の3ヵ月間に支払った報酬の総額をその期間の総月数で除した額を報酬月額として、新たな社会保険料のもととなる標準報酬月額を決定し直すものです。なお、4月、5月、6月の3ヵ月間で報酬の支払基礎日数が17日(パートは11日)未満の月は除き、残りの月数で算定します。この定時決定で決まった保険料が、原則として、9月から翌年8月までの社会保険料となります。


● 休業手当の支払いがあるときの処理手続き
 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために4月、5月、6月に一時的に事業活動を休止し、被保険者である従業員に休業手当を支払っている場合には次のような処理をすることになります。

7月1日の時点で、依然として一時休業の状況が解消せず休業手当を支払った月がある場合には、休業手当を支払った月を含めて通常通り4月、5月、6月の報酬の総額(休業手当を含む)をその3ヵ月で除した額を報酬月額として、標準報酬月額を決定することになります。なお、この場合、「算定基礎届」の備考欄⑱の「9.その他」の括弧書きに休業手当の支払月と一時休業の実施期間(○月から一時休業)と記入します。
 なお、一時休業が解消していないことにより、休業手当を支払った月を含めた定時決定により標準報酬月額を決めた後に、一時休業が解消されて通常の報酬を支払った場合には、その月から起算して3ヵ月間に支払った報酬の総額をその月数で除した額の報酬月額による標準報酬月額と、定時決定による標準報酬月額との差で随時改定(標準報酬月額に2等級以上の差)に該当するか否かの判断をしなければなりません。

7月1日時点で既に一時休業が解消され、その後も休業手当を支払う見込みがない場合には、4月、5月、6月のうち一時休業による休業手当を支払った月を除き、残りの月の報酬月額の平均額で算定することになります。この場合、算定基礎届の備考欄⑱の「9.その他」の括弧書きには(○月○日から一時休業、一時休業が解消した場合には△月△日から一時休業解消)と記入します。ただし、その3ヵ月間いずれの月においても、一時的な休業が何日かあり低額な休業手当等を支払っている場合には、休業開始月前の直近の標準報酬月額で定時決定を行います。
 なお、7月1日で一時休業が解消していたため休業手当を含まず定時決定を行ったもののその後、結果的に9月までの間に再び休業の状態が発生する場合には既に行った定時決定の訂正は認められません。再び休業手当等が支払われることとなった月から起算して随時改定に該当するかを判断することとなります。

 随時改定とは、次の3つの基準いずれにも該当した場合に行われます。随時改定を行ったあと、一時休業が解消され通常の報酬に戻り(ア)(イ)(ウ)に該当する場合は、再び随時改定(月額変更届)を行うことになります。
(ア) 固定的賃金の変動または賃金体系の変更があること。
(イ)(ア)の変動月以後引き続き3ヵ月を超えて支払基礎日数が17日(パート11日)以上あること。
(ウ)(ア)の変動月から3ヵ月の報酬の平均と現在の標準報酬月額に基づく等級(標準報酬月額等級)に2等級以上差があること。

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