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制度改革と信頼関係の醸成の両方が求められる

「働きがいのある会社」調査
制度改革と信頼関係の醸成の両方が求められる

ある調査機関が毎年実施している「働きがい」についての実相を探る調査結果の最新版が発表されました。その全体傾向から「働きがい」を高めるための条件を見ていきます。


●「働く人向け」と「会社向け」の2つのアンケートをもとに分析
 この調査は、Great Place to WorkR lstitute Japan という調査機関(株式会社働きがいのある会社研究所)が毎年実施しています。選択式回答が中心の「働く人へのアンケート」と、レポート式回答が中心の「会社へのアンケート」の両方に企業単位で参加してもらい、その結果を分析したものです。「働きがい」の実態を、定量的なデータを伴って把握することに主眼を置いており、世界的な規模で実施されています。
 先日結果が発表された日本の2020年版の調査(2019年9月実施)では499社が参加。そのうち働きがいの一定水準を上回った企業を発表し、さらにその中で特に女性にとって働きがいがあると評価された企業が、従業員数の規模ごとに各5社ずつ、計15社選定されました。


●働き方改革が進む一方で「働きがい」は低下傾向に?
 主に社員向けアンケートをもとに、全体傾向を見ていくと、次の通りとなります。
・「働きがい」のスコア(※)は男性、女性とも前回(2019年版)より低下。
・その低下幅は女性の方が男性より大きい。
 この2つの事実から言えることは、いわゆる「働き方改革」で勤務時間の適正化や生産性の向上が進む一方で、そこで働く人の「働きがい」は低下傾向にあるということ、しかもそう感じる人は男性よりも女性の方が相対的に多い、ということです。この調査結果だけから見ると、「働きがい」に関しては女性の方が男性より感じられなくなっているというのが実態のようです。


●経営者や管理者との信頼関係の醸成が求められる
 ポイントが特に改善した設問の上位と、特に低下した設問の上位とを男女別に見ると、その内実がさらに浮き彫りになります(結果は下表を参照)。「改善」側では休暇のとりやすさやワーク・ライフ・バランスなど「働き方改革」の主要テーマともいうべき項目が上がっているのに対して、「低下」では男女とも、経営・管理者層に関連するものが並んでいます。
 これらのことからほの見えてくるのは、労働環境や制度の整備はある程度効果があったものの、その制度を作る、あるいは運用するトップや管理識者との信頼関係の醸成はいまひとつではないか、という懸念です。「働きがい」を高めるためには、例えば「休みやすくする」などの制度改革のみに留まらず、管理職以上の意識の改革が必要のようです。

働き甲斐の改善状況
※「スコア」とは、様々な設問に対する5段階評価(選択式回答)を集計してポイント化したもの。設問とは、例えば「この会社では、従業員は性別に関係なく正当に扱われている」「この会社の人たちは、お互いに思いやりを持っている」など、「働きがい」に直結する内容になっています。

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