労務ニュース

若年労働者定着の対策強化の傾向。その中身は?

若年者の雇用実態調査

 厚生労働省は昨年12月に、2018年の「若年者雇用実態調査」の結果を公表しました。有望な若年者をいかに採用し、育てるかは、企業の成長と活性化にとって重要なテーマになっています。企業側の動向の概況から、若年労働者定着の対策強化の傾向を読み取ります。

● 人材不足の中、若年労働者定着のための対策を強化
 調査は若年労働者が就労する事業所が回答する調査と、若年労働者個人が回答する個人調査に分かれています。ここでは事業所調査の結果を見ていきます。
 全労働者に占める若年労働者の割合は27.3%で前回調査(2013年。以下同じ)の28.6%から減少しました。ただし厚労省の担当者によれば、これは人手不足に伴い高齢者を含めた雇用全体が伸びた結果、相対的に若年者の割合が微減したのであり、実数は若年者層全体としては増えています。
 若年労働者の定着のための対策を行っている事業所の割合は、正社員で72.0%(前回調査70.5%)、正社員以外で57.1%(前回調査54.2%)といずれも前回から増えています。人材不足で若年層の労働者としての定着は企業の成長には必要不可欠。対策強化の傾向が窺えます。


● 対策の中身では休暇の取得促進や家庭との両立が上昇
 具体的に、若年労働者の定着のために企業は何を実施しているのでしょうか。調査結果をまとめたのが下の表とグラフです。
 割合として多いのは「職場での意思疎通の向上」(正社員で59.0%)や「本人の能力・適性にあった配置」(正社員で53.5%)などとなっています。しかし前回調査との比較(表を参照)で見ると、これらの項目は微減傾向にあります。一方で前回調査と比較して特に増えているのは「労働時間の短縮・有給休暇の積極的な取得奨励」(正社員で前回25.9%⇒今回37.8%)や「仕事と家庭の両立支援」(正社員で前回21.5%⇒今回28.4%)などの対策です。若年者定着の対策においても、労働時間の低減や家庭の重視など、一連の働き方改革に関連する項目が伸びていると推測されます。
雇用形態、若年労働者の定着のために実施している対策について


● フリーターヘの需要も一定程度はあるが35歳以上は厳しい?
 フリーターが正社員の求人に応募してきた場合、フリーターであることが「評価にほとんど影響しない」と答えた事業所の割合は、15歳~34歳の若年フリーターの場合は68.1%(前回69.5%)となりました。ほぼ横ばいと言えます。今回厚労省では、35~44歳の、いわゆる「年長フリーター」についても同様の質問を初めて行いましたが、「影響しない」の割合は54.9%となりました。5割以上ですが若年フリーターと比べると落ちており、またフリーターだったことへのマイナス評価を行う企業は全体の26.0%となりました。この年長フリーターの正社員化、戦力化が今日の政策的な課題になっています。

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