労務ニュース

経営者側の意欲の高まりが見られる一方で課題も浮き彫りに

     -従業員研修の実施状況に関するアンケート

有能な人材は、外部から採用するだけでなく内部で育てる必要もあります。助成金制度の拡充もあり、企業の従業員研修へのニーズは高まる傾向にあります。その実態を、東京商工会議所が実施したアンケートで見ていきます。

◆ 経営者が研修の必要性を認識・研修費用は増加傾向にあるが、一方で課題も ◆
 有能な人材確保競争が厳しくなっている中で、既存の戦力についてビジネススキルの底上げを図りたいという経営者側のニーズは着実に高まっているようです。その実態となお残る問題点について、東京商工会議所が今年2月~3月に実施した「従業員研修の実施状況に関するアンケート結果」で見ていきましょう。

● 研修意欲の高まりと対象者層の広がりが費用拡大の背景に
 調査は東京商工会議所研修センター主催の研修講座に申込のあった企業から無作為抽出で1000社を対象に実施、300社から回答を得ました。
 2018年度の研修費用実績は、対前年度比で「増加」が42.7%と最も多く、「変わらない」(10.3%)、「減少」(4.3%)となりました。 2019年度の研修予算の対前年度比較では、「変わらない」が44.3%、「増加」が31.0%で、前年度同様の増加傾向が見て取れます。
 これらのうち、2019年度の研修予算増加が見込まれる理由についてまとめたのが別掲のグラフ①です。「人材育成への経営者の関心が高まっているため」が51.6%と過半数を占めており、人材育成強化への期待が表れています。また受講者層の広がりを理由とした割合も高くなっています。企業との契約形態が多様化する中で、スキルアップが必要なのは雇用条件とは関係がないという認識が高まっているからでしょう。2019年度の研修費用の増加が見込まれる理由

● 従業員数が少ない企業ほど社外研修中心になりがち
 研修のうち社外研修が研修全体に占める割合は「10%未満」が24.O%と最も多い一方で、「70%以上~100%未満」が21.7%でこれに続く結果となりました。「100%」(社外研修以外実施していない)も11.7%を占めています。従業員数の少ない企業ほど社外研修にかける費用割合が高くなる傾向にあります。

● 研修受講後は報告を求めるものの受講前の説明は不十分?
 社外研修の受講対象者に企業として、事前と事後に何らかの対応をしているか尋ねたところ、事後においては「何らかの対応を行っている」が91.7%と大多数を占めたのに対し、事前は「特に何もしていない」が4割を占める結果となりました(別掲のグラフ②参照)。ここにひとつの問題点が浮かび上がってきます。社外研修の場合、受講者が事前に知らされるのは講座のタイトルや簡単なテーマのみ、ということがしばしばあるということ。受講者に対する事前課題の提示などがない場合、事前の問題意識が希薄なまま参加することになりかねず、注意が必要でしょう。
 事後の取り組みについても、上司への口頭または書面での報告が多くを占め、例えば「成果発表の実施」は12.3%にとどまりました。事前、事後の対応には改善の余地が残されているようです。

社外研修受講前と受講後の自社での取組状況

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