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今月の相談 産業医への情報提供はどうすべきか?

ここはどうなる? 働き方改革 Q&A

今月の相談 産業医への情報提供はどうすべきか?

【 質 問 】
当社は、従業員数70人程度の会社です。外部に産業医をお願いしていますが、十分な連携は取れていませんでした。法改正により産業医への情報提供が義務化されたとのことですが、どのような対応が必要となるでしょうか。

【 回 答 】
 労働安全衛生法上、常時50人以上の労働者を使用する事業場は産業医を選任しなければならず常時1000人以上の労働者を使用する事業場においては、専属の産業医を選任しなければなりません。
 産業医は、事業場における労働者の健康・安全・衛生を守るために、医学的な専門知識を有する立場から必要な指導・助言を行うことを職務としています。具体的には職場巡視による職場環境の確認、労働者の健康診断の結果に基づく就業判定及び事業者への意見、長時間労働者等の面接指導、健康相談などがあります。
 働き方改革関連法成立に伴う労働安全衛生法の一部改正により、2019年4月から産業医の役割が拡充し権限が強化され、事業者は産業医に対して以下の情報を提供しなければならないことになりました。

 ①1ヵ月当たりの「時間外・休日労働時間」が80時間を超えた労働者の氏名及びその労働者の超えた労働時間に関する情報
 ②労働者の業務に関する情報で産業医がその労働者の健康管理に必要と認める情報
 ③健康診断、長時間労働者に対する面接指導、ストレスチェックに基づく面接指導などの実施後に既に講じた措置、又は講じようとする措置の内容に関する情報(措置を講じない場合は、その旨・その理由)

 ①は、「時間外・休日労働」が1ヵ月当たり80時間を超えた労働者がいない場合であっても、該当者がいないという情報を産業医に提供しなければなりません。また、労働基準法上、労働時間・休憩・休日の適用が除外となっている管理職も例外ではないことに注意しなければなりません。なお、これらの情報の提供方法としては、書面によることが望まれています。
 ②は、労働者の作業環境、労働時間、作業対応、作業負荷の状況、深夜業等の回数・時間などのうち、産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要と認めるものが含まれます。提供すべき情報の具体的な内容は、事業者と産業医で相談しておくことが必要でしょう。
 これらの情報の提供も、書面により行うことが望まれていますが、磁気テープ、磁気ディスク、電子メールにより提供する方法でも差し支えありません。また、産業医に提供した情報は記録・保存しておくことが望ましいとされています。
 また、産業医を選任した事業場は、その事業場における産業医の業務の具体的な内容、産業医に対する健康相談の申出の方法、産業医による労働者の心身の状態に関する情報の取扱の方法を労働者に周知しなければならないことになりました。具体的には、各職場の見やすい場所に掲示する方法、各労働者に書面で交付する方法、ポータルサイト等で労働者が常時確認できる機器などを設置する方法のいずれにより周知しなければなりません。


\今月のポイント/
時間外労働80時間超の労働者の氏名等を
産業医に報告する義務がある。
提供すべき情報の具体的な内容を、産業医との間で十分に調整する。

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