労務ニュース

高齢者や女性の労働参加が件数を押し上げ?

     -労働災害の発生状況に関する全国調査の結果がまとまる

厚生労働省は6月、「平成30年労働災害動向調査」の結果をまとめました。労災の強度は相対的に弱くなってきていますが、件数は増加傾向にあります。背景には高齢者や女性の労働参加があるようです。また降雪量が増えると件数も増えることが指摘されています。


◆ 高齢者の労働参加が原因? ◆
    -労災の件数は増加傾向に
 調査結果を見ると、死亡や長期入院などに結び付く重大な労働災害は減っているものの、労働災害自体は全体として増えている傾向が見て取れます。詳細は以下の通りです。これらの数値はいずれも事業所規模100人以上の事業所を対象にしたものです。

● 件数は増加したが 重篤なものは減った
 この調査は主として3つの数値を使って2018年の労働災害の傾向を分析しています。
 まず「度数率」。これは100万延べ実労働時間当たりの労災死傷者数で、労災発生の頻度を表しています。 2018年はこの数値が1.83(漁業を除く)と、前年(1.66)より0.17ポイント上昇しました。
 次に「強度率]。これは1000延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数で、2018年は0.09(漁業を除く)となり、これは2017年と同じ数字です。
 さらに、死傷者1人当たりの平均労働損失日数は50.5日(漁業を除く)となり、前年の55.0日から4.5日減少しています。
 以上の結果からわかるのは、労災の頻度(件数)は相対的に増えた一方で、労働損失時間は全体としては横ばい、死傷者1人当たりでは減少しているということです。重篤な労災が少なくなる一方で、軽微な労災は相対的に増えている傾向が浮き彫りになっています。

● 無災害事業所の割合は減少
 年間を通して労災のなかった「無災害事業所」の割合は56.4%となりました。これは昨年の58.1%から1.7ポイント減少した数値です。前述の度数率の変化が示すのと同じように、ここでも件数そのものが増えている傾向が見て取れます。
 厚労省の担当部署によれば、この背景には高齢者や女性の労働参加があるということ。特に転倒事故が増えているのが特徴で、足腰の弱い方が労働現場へ参加している実情が見て取れます。また労働災害は悪天候、特に降雪量との相関関係が見られる傾向があるらしく、2018年は豪雪に見舞われたことが、件数を押し上げたと推測されるとのことです。

無災害事業所の割合の推移

● 「度数率」が高いのは 一次産業とサービス業
 業種別で見ると、「度数率」が高いワースト3は「農業・林業](6.28)、「漁業](5.46)、「生活関連サービス業、娯楽業(洗濯業、旅行業及びゴルフ場に限る)」(4.90%)の順。建設業、製造業などは度数率はそれほど高くなく、これらの現場では労災対策が他の業種よりも先行していることがわかります。

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