労務ニュース

地域産業保健センターの有効活用

      -課題 小規模事業場における労働者への健康配慮に

産業医の選任義務がない労働者数50人未満の会社で従業員の健康管理に役立つのが、産業保健総合支援センター地域窓口(通称:地域産業保健センター)です。
※地域産業保健センターについては、右記、厚生労働省のサイトなども参照ください。  http://kokoro.mhlw.go.jp/health-center/


近年は、労働者の長時間労働やハラスメントなどによるメンタルヘルスの不調が社会問題となっており、それにともない産業医の重要性がますます高まっています。

◆ 産業医の必要性 ◆
 産業医とは、労働者が健康で快適な作業環境のもとで仕事が行えるよう、専門的立場から指導・助言を行う医師のことをいいます。労働安全衛生法上、常時50人以上の労働者を使用する事業場においては産業医を選任し、労働者の健康管理などを行うことが義務づけられています。
 その一方で、常時50人未満の小規模事業場では選任義務はなく、医師等に労働者の健康管理などの全部、または一部を行わせるように努力義務が課されているに留まっています。
 しかし、定期健康診断と同様に事業場規模に関わりなく義務づけられている長時間労働者に対する面接指導等、異常所見者に関する就業措置に関する対応、病気休職中の労働者の職場復帰等への対応などにあたっては、小規模事業場にとっても産業医の意見が必要となる場面が多くあります。

◆ 産業保健サービスを無料提供 ◆
 厚生労働省(運営:独立行政法人労働者健康安全機構)は、独自に産業医を確保し、産業保健サービスを提供することが難しい状況にある労働者数50人未満の小規模事業場で働く労働者を対象に、各地域に地域産業保健センターを設け、労働安全衛生法で定められた保健指導などの産業保健サービスを充実させています(下記参照)。これらのサービスは無料で受けることができます。また、事業主へのサービス提供だけではなく、労働者からの健康管理や産業保健に関する相談も受け付けています。
 働き方改革関連法案の成立で、今まで以上に労働者への安全配慮義務および健康配慮義務が求められるなか、小規模事業場では地域産業保健センターを有効に活用することをお勤めします。

◆ 助成金の活用 ◆
 また、厚生労働省(独立行政法人労働者健康安全機構)の「小規模事業場産業医活勤助成金(産業医コース)]を活用することもできます。これは、小規模事業場が産業医の要件を備えた医師と産業医活動の全部、または一部を実施する契約を締結し、実際に産業医活動が行われた場合に実費を助成するものです。1事業場当たり10万円を上限(6ヵ月ごと)とし、将来にわたり2回限り助成されます。


◆ 地域産業保健センターが提供する産業保健サービス ◆

① 健康診断結果についての医師からの意見聴取
 労働安全衛生法に基づく健康診断で、異常の所見があった労働者に対して、その健康を保持するための措置について、産業医から意見を聞くことができます。

② 長時間労働者に対する面接指導
 時間外労働が長時間におよぶ労働者に対し、疲労の蓄積状況の確認など産業医による面接指導を行います ※。

③ 保健指導
 職場で実施した健康診断の結果、「血中脂質検査」「血圧検査」「血糖検査」「尿中糖の検査」 「心電図検査」の項目に異常の所見があった労働者に対し、産業医または保健師が日常生活面での指導や健康管理に関する情報提供などを行います。

④ 個別訪問指導
 産業医または保健師が、訪問指導を希望する事業場を個別に訪問し、現場の状況を踏まえた産業保健に係る指導・助言を行います。

⑤ メンタルヘルス相談・指導
 メンタルヘルス不調を感じている労働者に、産業医または保健師が相談・指導を行います。

⑥ 産業保健に関する情報提供
 認定産業医の紹介、健康相談・面談指導窓口指定医療機関名簿などの情報提供を行います。

※事業者は、時間外・休日労働が月100時間を超える労働者から申し出があれば、医師による面接指導を行わなければなりません。また、月80時間を超える労働者(申し出)などについても面接指導を行うことが努力義務となっています


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