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増加が懸念される介護離職

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 厚生労働省では平成20年より、11月11日を「介護の日」として、高齢者や障害者の介護に関して啓発活動を行っています。そこで今回は、家族の健康が仕事に与える影響として、介護離職について取り上げてみましょう。
 高齢化が進むなか、介護をめぐる諸問題が指摘されているのは周知のとおりです。たとえば、厚生労働省によると、団塊世代がすべて75歳以上の後期高齢者となる2025年には、253万人の介護人材が必要とみられていますが、確保できる見込みは215万人。38万人が不足すると推計されています。
 こうしたなか、介護離職者の増加も懸念されています。「平成29年就業構造基本調査」(総務省統計局)によると、親などの介護をしている人は約627万人で、そのうち有識者は半数以上の約346万人。そして、介護・看護を理由に離職した人は、1年間で約10万人(約8割が女性)にのぼります。
 この状況を改善すべく、政府は「介護離職ゼロ」を掲げていますが、今年2月には新たに見直した「高齢社会対策大綱」を閣議決定。「介護離職ゼロ」の実現や、介護ロボット市場の拡大などの目標を盛り込んだ対策を打ち出しています。
 では介護離職について企業の実態や意識についてはどうでしょうか。東京商工リサーチが実施したアンケート調査(平成28年)によると、過去1年間で介護離職者が発生した企業は、全体(7391社)の約1割にあたる724社。その大半は離職者が「1名」でしたが、「6名以上」と答えた会社も8社(うち6社は資本金1億円未満)ありました。そして、全体の約7割の企業で、将来的に介護離職者が「増えると思う」と回答。従業員の高齢化にともなう家族の高齢化や、現在の介護休業や介護休暇制度だけでは限界があることなどを理由に挙げています。さらには、同じく約7割の企業で、仕事と介護の両立についての自社の取り組みは不十分だと考えています。
 国が進める法律の整備などとともに、企業にも両立支援に向けた一層の取り組みが求められているといえるでしょう。

 

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