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今月の相談 社員の副業や兼業を認めるべきか?

労務のお悩み相談室 Q&A

今月の相談 社員の副業や兼業を認めるべきか

【 質 問 】
 政府の働き方改革の一環として副業・兼業を促進するような政策が出ているせいか、社員から土曜日または日曜日に副業をしたいという申し出がありました。当社も残業時間の削減を図っているために、社員の残業代は少なくなっています。当社の就業規則上は兼業禁止となっていますが、このような申請に対して、認めなければならないのでしょうか。

【 回 答 】
長時間労働の是正は好ましいことですが、残業時間の削減は社員の収入の減少につながるため、残業代に替わる収入を得るために、副業・兼業を望む労働者が多いようです。また、今年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン案」(厚生労働省)が公表され、同時に「モデル就業規則]が改正されました。これにより政府として副業・兼業を促進することが明確になり、個別企業においても副業・兼業を容認する動きが見受けられます。

 企業が副業・兼業を認めるにあたっての課題や懸念点としては、自社の業務がおろそかになること、情報漏洩のリスクがあること、競業・利益相反になること、結果として長時間労働になること、などが挙げられます。副業・兼業に関するおもな裁判例によれば、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であるとしています。そして企業がそれを制限できるのは、労務提供上の支障となる場合、企業秘密が漏洩する場合、企業の名誉・信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合、競業により企業の利益を害する場合など、副業・兼業の禁止については限定的な捉え方をしています。

 ガイドライン案では、今後、企業は副業・兼業を認める方向が適当であり、一律許可制にしている場合は、副業・兼業が自社での業務に支障をもたらすかどうかを精査し、業務に支障がなければ所定労働時間以外の時間は労働者の希望に応じて、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが求められると示しています。

 今後は労使間で十分な協議を重ね、副業・兼業を認める場合には、
①どのような形態の副業・兼業を認めるか(例:業務内容、就業日、就業時間、就業時間帯、就業場所、就業期間、対象者の範囲)、

②副業・兼業を行う際の手続き(例:上司や人事担当者の事前の承認や事後の届出の有無)、

③副業・兼業の状況を把握するための仕組み(例:上司や人事担当者への報告)、

④副業・兼業の内容を変更する場合の手続き、

などを考慮しつつ、前向きに検討する必要があるようです。

 なお、副業・兼業者の働き過ぎや不規則な労働による健康障害を防止する観点から、自社での就業と副業・兼業先での就業との兼ね合いのなかで、時間外・休日労働に関する管理や抑制の仕方などを検討すべきでしょう。

      \今回のポイント/

副業・兼業の形態などを労使間で協議のうえ、
    前向きな検討が求められます。

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