労務ニュース

がんなどの病気の治療と仕事の両立を支援する

短時間勤務や在宅勤務の導入など病を抱える労働者に配慮した職場づくり


医療技術の進歩などにより、がんなどの疾病と戦いながら、治療と仕事を両立することも可能な時代になりました。そんななか、企業にも両立支援の取り組みが求められています。

 近年は、健康経営やワーク・ライフバランス、ダイバーシティ推進といった観点から、労働者の健康確保や疾病・障害を抱える労働者の活用に関する取り組みが推進されています。
 厚生労働省も、平成28年に「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を公表。がん、脳卒中、糖尿病など治療が必要な疾病を抱える労働者に対して、治療と仕事の両立支援を行おうとする企業などを対象に、両立支援の基本的な考え方や取り組みの方向性、留意事項をまとめています。

◆ 両立支援の留意点 ◆
 ガイドラインでは、治療と仕事の両立支援にともなう事業者および労働者の留意事項をまとめています。事業者の取り組みとしては、安全と健康の確保を図るために、労働者が就労によって、疾病の増悪、再発や労働災害が生じないよう、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などの適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行うことを前提としています。
 一方、労働者の取り組みとしては、疾病を抱える本人が主治医の指示などに基づき、治療を受けること、服薬すること、適切な生活習慣を守ることなど、治療や疾病の増悪防止について適切に取り組むことが重要であるとしています。

◆ 両立支援の環境整備 ◆
 事業場において、治療と仕事の両立支援を行うための環境整備としては、
①労働者や管理職に対する研修などによる意識啓発
②労働者が安心して相談・申し出を行える相談窓口の明確化
③時間単位の休暇制度や時差出動制度、短時間勤務制度、在宅勤務などの検討・導入
などが望ましい取り組みとしています。

◆ 両立支援の進め方 ◆
 さらに、治療と仕事の両立支援の進め方として、次のような流れでの取り組みを勧めています。
①労働者が事業者へ申出
労働者から主治医に対して、一定の書式を用いて自らの業務内容などを提供。それを参考に主治医が、一定の書式を用いて症状、就業の可否、時短などの望ましい就業上の措置、配慮事項を記載した書面を作成し、それを労働者が事業者に提出する。

②事業者が産業医などの意見を聴取
事業者は、労働者から提出された主治医からの情報を産業医などに提供し、就業上の措置、治療に対する職場での配慮に関する意見を聴取する。

③事業者が就業上の措置を決定・実施
事業者は主治医、産業医などの意見を勘案し、労働者の意見も聴取したうえで、就業の可否、就業上の措置(作業の転換など)、治療に対する配慮(通院時間の確保など)の内容を決定・実施する。

 厚生労働省は3月26日、ガイドラインの参考資料として、新たに「企業・医療機関連携マニュアル」と「難病に関する留意事項」を作成し、公表しました。こうしたガイドラインなどを参考に「治療と職業生活の両立支援」に取り組まれることが望まれています。

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