労務ニュース

試用期間中の新入社員を解雇したい

労務のお悩み相談室 Q&A  

今月の相談

【 質 問 】
 今年度は、応募者も少なく新規採用に苦戦しましたが、なんとか新人社員を数名採用でき現在は3ヵ月間の試用期間中です。
しかし、新入社員のなかに1名、遅刻が目立ち、自己主張も強い者がいて、同僚とのチームワークが取れず、苦情も出ています。せっかく採用したのに残念ですが、まだ試用期間中ですので、解雇を検討しています。問題はあるでしょうか。

【 回 答 】
採用はしたものの、仕事の覚えが悪かったり、遅刻欠勤もあり勤務態度が悪かったり、ほかの従業員との協調性がなかったりと、人は実際に働いてもらわなければわからないというのが実情です。 しかし、いったん採用すると、そうした理由であっても安易に解雇することはできません。試用期間中だからといって、安易に解雇すると「不当解雇だ!」と訴えられることも珍しくありません。
 試用期間とは、採用した労働者の人物や能力、勤務態度などについて、従業員としての適性を評価して本採用するかどうかを決める期間です。法律的には「解雇権留保付労働契約」といい、使用者の解雇権が本採用後よりも広い範囲で認められる期間です。試用期間の長さは、就業規則に基づきますが、その定めがないときでも、労働契約締結時に設ける場合には「3ヵ月」や「6ヵ月」くらいが妥当なところです。
 試用期間中の解雇理由で多いのが、ほかの従業員との協調性がないことや、上司や先輩からの業務命令に対して反抗的であること、遅刻が多いなどといった勤務態度不良などです。
 「採用面接時での受け答えは真面目そうで、勤怠不良、協調性欠如は想定できなかった」など、採用当初は把握することが難しいような事実を、試用期間中の勤務状態によって知るに至った場合で、労働契約の解雇権を行使することが客観的にも相当であると認められる場合にのみ、解雇が認められます。
 したがって、こうした理由での解雇が会社にとって有効となるには、悪しき点について、そのつど、注意して改善を求め、または必要な教育をしたかどうかが問われます。試用期間とは、教育指導期間でもあるのです。
 こうしたプロセスを経ずして、30日分の解雇予告手当を支払えば解雇できるというものではありません。解雇が有効か無効かという問題と必要な解雇手続きをしたかどうかは別の問題なのです。
 労働者を解雇するにあたっては、それが懲戒解雇の事由に該当しない限り、解雇(普通解雇)の手続きとして、30日分以上の解雇予告手当を支払うか、または30日前に予告しなければなりません(併用も可)。なお、採用して就労初日から起算して14日以内の解雇については、こうした手続きは不要となります。

 \今岡のポイント/
 解雇するには、試用期間中に改善要求や必要な教育を行ったかが問われます

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