労務ニュース

「無期転換ルール」の本格スタート③ 

      -トラブル回避の対応術

◆ 無期転換ルールの導入に向けて ◆

 改正労働契約法により、多くの企業で平成30年4月から本格的に無期転換ヘの申込みの発生が見込まれています。
 無期転換ルールは、企業側にとっては負担になる面もあるかもしれませんが、人材が不足傾向にある現在では、有期雇用から無期雇用に転換することで、中長期的にみれば、人材確保や中核を担う社員の育成などに意義があるとされます。したがって、導入に向けては、後ろ向きな考えではなく、こうした視点に基づいて取り組むことが重要でしょう。
 導入にあたって何をすべきなのか、戸惑うこともあるかもしれませんが、次のような手順で進めることが推奨されています。

① 有期契約社員の就労実態を調べる
 まずは、自社で働いている有期契約社員の現状を把握することからはじめます。
 パート、アルバイト、契約社員や嘱託社員など雇用形態ごとの人数、職務内容、月や週の労働時間、契約期間、更新回数、勤続年数(通算契約期間)を調べ、無期転換申込権が発生する時期などを把握しておくことが大事です。
 また、有期契約社員に適用する就業規則や雇用契約書が備わっているか、正社員の就業規則や給与規程などから、有期契約社員が適用除外となっているかの確認も必要となるでしょう。


② 社員の仕事、役割や責任を再検討する
 有期契約社員が正社員と同じように無期契約に転換した場合、転換後の雇用区分を明らかにして、従来の正社員と仕事の内容、役割や責任がどう異なるのかを明確にしておくことが、トラブルを防ぐ意味においても大切となります。
 そのためにも、業務の特性の違いなどに着目して、現在有期契約社員が従事している仕事について、基幹的な業務か補助的な業務か、業務の必要性が一時的か恒常的か、の2つの観点で分類することからはじめます。そして、無期転換後の社員に任せる業務や役割、責任などは、従来の有期契約社員が担うものとは別のものとすることが適当なのか、あるいは現状どおりで問題はないのか、検討しておくことが必要となるでしょう。


③ 適用する労働条件を検討し、就業規則を整備する
 無期転換後の社員について、従来の有期契約社員の業務や役割などとは異なるものとする場合、それらの内容とともに労働条件に関しても検討することが望ましいとされます。
 検討した内容に基づき、必要に応じて無期転換後の社員に適用する就業規則を作成します。その場合には、対象となる社員を正社員の就業規則の対象から除外しておく必要があるので、正社員の就業規則も見直すことになります。

 このような手順で進める制度設計の段階では、労使間のコミュニケーションを密にすることで、導入やその後の運用をスムーズに行うことができるとされています。
 無期転換の申込みについて、その要件や手続き、転換後の働き方などを有期契約社員に事前に説明しておくことも重要で、意見などがあれば必要に応じて制度の改善を行うことも求められるでしょう。

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