労務ニュース

労災休業補償と死傷病報告

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◆ 「休業(補償)給付」とは ◆
 労災保険の「休業(補償)給付」とは、労働者が業務上または通勤途上において、負傷または病気になり、その療養のために働くことができず、その期間について賃金の支払を受けていない場合に支給されるものです。
 通勤途上の災害の場合には、事業主の補償義務はありませんので、「補償」の文字が入らず「休業給付」と呼ばれています。
 業務上災害の場合、休業の最初の3日間は、労働基準法の規定により事業主が補償しなければならないことになっていますので、労災保険の休業補償給付は休業4日目から支給対象となります。
 休業補償給付を請求するには、「休業補償給付支給請求書」(休業特別支給金支給申請書と兼用)に医師の証明を受けてから、被災した労働者が所属する事業所を管轄する労働基準監督署ヘ提出します。


◆ 「労働者私傷病報告」とは ◆
 一方、労働安全衛生法では、労働者が業務中や、事業場内や付属する建設物・敷地内などにおいて負傷し、または中毒や疾病にかかったことにより、死亡もしくは休業することが必要となった場合、事業主に対して、「労働者死傷病報告」を所轄の労働基準監督署に提出することを義務づけています。
 労働者死傷病報告は、労働災害の原因分析や同種の労働災害の再発防止など、労働者の安全衛生対策の検討に生かされています。内容が虚偽であったり故意に提出を怠った場合、「労災かくし」として処罰されることもあるため、報告義務についてきちんと把握しておくことが重要といえます。


◆ 報告の提出時期 ◆
 被災した労働者が死亡または休業が4日以上の場合の労働者死傷病報告は、遅滞なく提出することが求められています。
 また、前述の休業補償給付支給請求書には、1回目の請求に限りこの労働者死傷病報告を提出した日を記載しなければなりませんので、請求にあたってはこの報告書をいつ提出したか確認しておくことも必要です。
 被災した労働者の休業日数が3日以内の場合、労働者死傷病報告は、3ヵ月に1度、きまった期間ごとに発生した労働災害をとりまとめて提出することになっています。具体的には、1~3月発生分は4月末まで、4~6月発生分は7月末まで、7~9月発生分は10月末まで、10~12月発生分は1月末までに提出しなければなりません。

 このように、労災保険の休業補償給付支給請求書と労働者死傷病報告は、どちらも所轄の労働基準監督署に提出するものですが、その意味づけはまったく異なります。休業災害や死亡災害については、労災保険に関する書類だけでなく、労働者死傷病報告も必ず提出しなければならないことに注意を払っておきたいものです。

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