労務ニュース

15%で正社員とパートの職務が同じ

      -パートタイム労働者総合実態調査

 このほど厚生労働省が発表した「平成28年パートタイム労働者総合実態調査」によると、昨年10月1日現在、正社員とパートの両方を雇用している事業所のうち、正社員と職務が同じパートがいるのは15.7%で、このうち58.7%の事業所で基本給の算定方法が正社員とパートで異なることが分かりました。
*この調査の「パート」とは正社員以外の労働者で、パートタイマー、アルバイト、準社員、嘱託、臨時社員等の名称にかかわらず、週の所定労働時間が正社員よりも短い労働者をいい、短時間正社員は含みません。


◆ 「パート」の就業状況 ◆

《 パートの割合 》
 平成28年10月1日現在、パートの割合は27.4%で、産業別にみると、「宿泊業、飲食サービス業」が60.2%で最も高く、次いで「生活関連サービス業、娯楽業」44.6%、「卸売業、小売業」41.1%となっている。

《 パートを雇用している事業所割合と雇用理由 》
 「パートを雇用している」事業所割合は68.8%で、雇用理由(複数回答)をみると、「1日の忙しい時間帯に対処するため」が41.6%で最も高く、次いで「人件費が割安なため」41.3%、「仕事内容が簡単なため」36.0%となっている。


◆ 雇用管理の状況 ◆

《 賃金を決定する際に考慮した内容 》
 パートの賃金を決定する際に考慮した内容(複数回答)をみると、「能力、経験」が52.4%で最も高く、次いで「職務(業務の内容及び責任の程度)」45.4%、「最低賃金(地域別・産業別)」35.7%となっている。

《 手当等、各種制度の実施及び福利厚生施設の利用状況 》
 パートに対する手当等、各種制度の実施及び福利厚生施設の利用状況別事業所割合(複数回答)をみると、「通勤手当」が76.4%で最も高く、次いで「更衣室の利用」58.4%、「休憩室の利用」56.9%となっている。(下図参照)

手当等、各種制度の実施状況及び福利厚生施設の利用状況別事業所割合(複数回答)

《 パートの正社員転換制度 》
 「パートの正社員転換制度がある」事業所割合は44.2%で、転換の基準(複数回答)をみると、「パートが所属する部署の上司の推薦」が65.6%で最も高く、次いで「人事部門などによる面接の結果」47.0%、「人事評価の結果」42.9%、「(一定の)職務経験年数」33.6%となっている。


◆ パートへの処遇の説明 ◆

 雇入れ時(更新時を含む)に、パートに対して「処遇の説明を実施している」事業所割合は85.0%で、説明方法(複数回答)をみると、「個々に処遇の内容を記載した文書を交付している」が55.3%で最も高く、次いで「個々に口頭で説明している」48.7%、「複数に対して、説明会等で口頭で説明している」8.4%となっている。


◆ 改正パートタイム労働法施行を機に実施した改善措置 ◆

 平成27年4月1日の改正パートタイム労働法の施行を機に「実施した措置がある」事業所割合は39.4%で、産業別にみると、「金融業、保険業]が52.4%で最も高く、次いで「不動産業、物品賃貸業」及び「複合サービス事業」48.8%、「生活関連サービス業、娯楽業」47.0%となっている。
 また、その措置(複数回答)をみると、「パート相談窓口等を整備し、雇入れ時に労働条件通知書等で明示した」が44.1%で最も高く、次いで「パートの賃金等処遇を(正社員との均等・均衡を考慮して)見直した」30.7%、「相談窓口等でパートからの相談に応じた」21.6%、「パート雇入れ時に雇用管理の改善措置の内容について説明した」13.5%、「パートに関する通勤手当の支給を見直した」10.9%となっている。


◆ 正社員と職務が同じパートの状況 ◆

正社員と職務が同じパートのいる事業所割合は15.7%で、産業別にみると、「学術研究、専門・技術サービス業」が25.3%で最も高く、次いで「医療、福祉]24.9%、「鉱業、採石業、砂利採取業」22.2%、「複合サービス事業」21.4%となっている。
 また、正社員と職務が同じパートについて、基本賃金(基本給)の支払い状況を正社員と比べると、「正社員と同様の算定方法(制度・基準)に基づいている」事業所割合は16.2%、「正社員の算定方法(制度・基準)とは異なる」は58.7%となっている。
 次に、正社員と職務が同じパートについて、一時間当たりの基本賃金(基本給)を正社員と比べると、「正社員より高い」事業所割合は5.8%、「正社員と同じ(賃金差はない)」は22.2%、「正社員より低い」は61.6%。低い理由(複数回答)をみると、「パートは勤務時間の自由が利くから」が49.0%で最も高く、次いで「パートは残業の時間数、回数が少ないから」30.9%、「そういった契約内容でパートが納得しているから」29.5%となっている。(下図参照)

職務が同じ正社員よりもパートの1時間当たりの基本賃金が低い理由(複数回答)

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