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被扶養者の収入増加で健康保険からいつ外れる?

      -社会保険の実務レポート

◆ 「被扶養者」の定義 ◆
 健康保険の被扶養者とは、圭として被保険者の収入により生計を維持している人をいい、被保険者の直系尊属、配偶者(事実婚を含む)、子、孫、弟妹、兄姉および被保険者と同居している3親等以内の親族や事実婚の配偶者の父母、子が被扶養者になることができます。
 生計を維持しているとは、被保険者の収入により生活ができていることで、その基準としては、年間収入が130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)であることが必要です。さらに、別居世帯の場合は、被保険者からの仕送り額より収入が少ないことも必要となります。
 被扶養者になるためには、保険者(協会けんぽや健康保険組合など)の認定を受けなければなりませんので、「被扶養者(異動)届」により被扶養者となる人の職業、年収見込み額、同居か別居かなどの事項も届け出ることが必要です。また、被扶養者ではなくなったとき(削除)には、その理由なども届け出ることになります。

◆ 「配偶者控除」の改正の影響 ◆
 所得税法の改正によって、平成30年分の所得から配偶者控除額が引き上げられることになりました。これにより、給与所得だけの配偶者の場合、従来は年収が「103万円」まで配偶者控除が適用されていたのが、原則として「150万円」までに拡大されることになります。
 こうしたことから、健康保険の被扶養者でパートで働く収入がある配偶者にとっては、税法改正のメリットを受けるため、働く時間を増やして自分の収入を増やそうとすることも考えられます。
 しかし健康保険上は被扶養者の収入要件の変更はありませんので、年収が130万円以上となると、その要件を満たさなくなってしまいます。また、働く時間が増えれば、その事業所で新しく健康保険や厚生年金の被保険者となることにもなります。

◆ 被扶養者を外れるのはいつか ◆
 その場合、いつ被扶養者でなくなったことになるのか確認しておくことが必要となります。税法上の配偶者控除対象者は1月から12月までの1年間の所得額をみますが、健康保険の被扶養者の認定は、今後1年間の収入額の見込みで判断されます。したがって、パートやアルバイトの給与収入のみであれば、過去1年間の給与の合計が130万円以上となった時点で被扶養者でなくなるのではなく、これから1年間で130万円以上見込まれるようになった時点で被扶養者でなくなることになります。また、ここでいう給与収入は、非課税の通勤交通費も含む金額をいいます。
 具体的には、あくまでも目安ですが、1ヵ月の収入額が10万8,334円(130万円÷12ヵ月)を常に超えるくらいであれば、それがはっきりした時点で被扶養者異動届(削除)の提出手続きが必要となるでしょう。
 また、雇用契約の変更などによって勤務日数や時間数が増加して年収見込みが130万円以上となる場合は、新しい雇用契約の開始日が「被扶養者でなくなった日」になります。契約変更により新しく健康保険や厚生年金の被保険者となる場合は、その資格を取得した日と一致させることになります。

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