労務ニュース

賃金不払残業の解消のための取組事例

 厚生労働省は8月9日、平成28年度に時間外労働などに対する割増賃金を支払っていない企業への是正指導の結果を公表しました。
 全国の労働基準監督署が、賃金不払残業に関する労働者からの申告などに基づき企業へ監督指導を行った結果、その支払額が1企業で合計100万円以上となった企業数は1,349社で、支払われた割増賃金の合計額は127億2,327万円、支払われた割増賃金の平均額は1企業当たり943万円、労働者1人当たりでは13万円となっています。今号では、監督指導により賃金不払残業が解消された事例をいくつかご紹介します。

 


★ 事例1 (業種:電気通信工事業) ★

 ◆ 賃金不払残業の状況 ◆

 ・ インターネット上の求人情報等の監視情報*を受けて、労基署が立入調査を実施。
 ・ 会社では、労働者が「申告書」に記入した超過勤務時間数により賃金計算を行っていたが、パソコンのログ記録とのかい離、夜間の従業員駐車場の駐車状況、労働者のヒアリング調査結果などから、賃金不払残業の疑いが認められたため、労働時間の実態調査を行うよう指導。

  *厚生労働省は、平成27年度から委託事業により、インターネット上の賃金不払残業などの書き込み等の情報を監視、収集する取組を実施している。 労基署は、当該情報に基づき必要な調査等を行うこととしている。

 ◆ 企業が実施した解消策 ◆

 ・ 会社は、パソコンのログ記録や警備システムの情報などを用いて調査を行い、不払いとなっていた割増賃金を支払った。
 ・ 賃金不払残業の解消のために次の取組を実施した。

  ① 代表者が「賃金不払残業撲滅宣言」を行うとともに全店で説明会を開催した。
  ②「申告書」とパソコンのログ記録に30分以上のかい離が認められた場合には、理由を明記させ、所属長の承認を得ることとした。
  ③ 総務部職員が定期的に、労働時間が適正に把握されているかについて実態調査を行い、必要な指導を行うこととした。


★ 事例2 (業種:木材・木製品製造業) ★

 ◆ 賃金不払残業の状況 ◆

 ・ タイムカード打刻後に作業を行うよう指示されているとの労働者からの情報に基づき、労基署が立入調査を実施。
 ・ 立入調査の際、労働者に対して無記名アンケートを実施したところ、大多数の労働者からタイムカード打刻後に翌日の準備作業や清掃作業が行われ、また昼休憩時間中に会議が開催されているとの回答が得られ、賃金不払残業の疑いが認められたため、労働時間の実態調査を行うよう指導。
 ・ 会社は、労働時間の実態調査を行った上で、不払いとなっていたタイムカード打刻後の作業時間及び会議に出席した時間について、割増賃金を支払った。
 ・ 賃金不払残業の解消のために次の取組を実施した。

  ① 休憩時間中の会議を禁止した。
  ② 社内説明会を開催し、全ての作業が終わった後にタイムカードを打刻するなど、労働時間を適正に記録することについて全管理者及び労働者に徹底した。
  ③ タイムカードが適正に打刻されているか否かを確認するため、代表者自らが社内巡視を行うこととした。

人事・労務管理のことなら
閃光舎へお気軽にご相談ください。

お問い合わせ・ご相談はこちらから