労務ニュース

腰痛の労災認定

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◆ 業務上の災害とは ◆

 労災保険の給付対象となる業務上の災害とは、労働者の業務と傷病との間に一定の因果関係があるものをいいます。
 業務上と認められるためには、業務が原因であるほかに、その前提条件として「業務遂行性」が認められなければなりません。たとえば、事業主の支配・管理下で業務に従事している場合や休憩時間に事業場構内で休んでいる場合、出張や社用での外出など、事業主の支配下にはあるが、管理下を離れて業務に従事している場合などが、業務遂行性があるとされます。


◆ 腰痛に関する行政の認定基準 ◆

 腰痛は、業務中であって、いつ起きたかが明確な出来事(災害)により負傷したことで発症したのであれば、業務起因性や業務遂行性があると認められ易いのですが、明確な出来事がなく、相当な時間の経過による疲労などの蓄積で発症した場合も多く、業務との因果関係があるのかどうか判断するのが難しいものとされています。
 このようなことから、腰痛については、通達により認定基準が示されていて、これに基づいて業務災害か否か判断が行われています。
 認定基準では、労災補償の対象となる腰痛は、「災害性の原因によるもの」と、「災害性の原因によらないもの」があるとして、業務上か否かの判断が困難な「災害性の原因によらないもの」については、次の①、②に区分して判断されます。

 ① 腰部に過度の負担のかかる業務に比較的短期間(おおむね3ヵ月から数年以内)従事したことにより発症した腰痛
  ここでいう腰部に負担のかかる業務とは、次のような業務をいいます。

  ● おおむね20kg程度以上の重量物または重量の異なる物品を繰り返し中腰で取り扱う業務

  ● 腰部にとって極めて不自然な姿勢で毎日数時間程度行う業務

  ● 長時間にわたって腰を伸ばすことができない同じ姿勢を持続して行う業務

  ● 腰部に著しく大きな振動を受ける作業を継続して行う業務

 ② 重量物を取り扱う業務または腰部に過度の負担のかかる作業態様の業務に相当長期間(おおむね10年以上)にわたって継続して従事したことにより発症した慢性的な腰痛

 ここでいう重量物を取り扱う業務とは、おおむね30kg以上の重量物を労働時間の3分の1程度以上取り扱う業務、またはおおむね20kg以上の重量物を労働時間の半分程度以上取り扱う業務をいいます。

 このように、災害性の原因によらない腰痛は、日々の業務による腰郎への負担が徐々に作用して発症したものをいいますので、その対象となる業務は、荷役作業や運転など限定的となる傾向があります。
 腰痛の労災申請をするにあたっては、業務と発症との関連を確認して、まずは専門の医師に相談したり、労働基準監督署に問い合わせをするのがよいでしょう。

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