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高年齢雇用継続給付の「みなし賃金」とは

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◆ 高年齢雇用継続給付の受給要件 ◆

 雇用保険の高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満の被保険者が、原則として、60歳時点の賃金額と比べて75%未満に低下した場合、申請により、各月に支払われた賃金の最大15%の給付金が支給されるものです。
 この高年齢雇用継続給付には、60歳を超えて継続雇用されている人を対象とした「高年齢雇用継続基本給付金」と、基本手当などの受給中に再就職した人を対象とした「高年齢再就職給付金」の2種類があります。
 ここでは、「高年齢雇用継続基本給付金」について取り上げます。

◆ 支給額は ◆
 給付金の支給額は、支給対象となる月ごとに、各月に支払われた賃金が60歳時点の賃金と比べてどのくらいの割合なのかによって決まります。この割合を「低下率」といいます。
 具体的には、低下率が61%以下の場合は、各月の賃金の15%相当の額となり、61%を超え75%未満の場合は、その低下率に応じて、賃金の15%相当額から一定の算式により減じられた額となり、75%以上では給付金は支給されません。
 なお、賃金が支給限度額(※)以上のときは、給付金は支給されず、賃金額と給付金として算定された額の合計が支給限度額を超えるときは、支給限度額と賃金額との差額が支給されます。
(※)毎年8月1日を基準に改定され、平成28年8月1日からは「33万9,560円」

◆ 「みなし賃金」とは ◆
 低下率をみる際の「各月に支払われた賃金」とは、その月に実際に支払われた賃金のことをいいますが、その賃金が一定の理由で減額されて支給された場合は、その減額された分を加算した賃金額を用いて賃金の低下率が判断されます。この賃金額を「みなし賃金額」といいます。
 各月に支払われた賃金が減額された理由の中には、被保険者本人や事業主に責任がある場合(本人の都合による欠勤、事業所の休業等)など、雇用保険により給付がなされることが適切でない場合も考えられます。みなし賃金を用いるのは、こうした理由により賃金の減額があった場合には、その減額された額が支払われたものとして賃金の低下率を判断することが適当であるためです。

みなし賃金額を用いて低下率を決定した例

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