労務ニュース

共働き夫婦はどちらが子の扶養者?

      -社会保険・ワンポイントゼミナール

 (健康保険)

◆【 質 問 】◆
 当社の女性社員に子どもが生まれたのですが、その子を自分の方の健康保険で被扶養者にしたいと言っています。
 その女性社員の夫も会社で働いており収入もあるので、こういう場合は、本来どちらの被扶養者となるべきなのでしようか?


◆【 解 説 】◆

★【 夫婦共同扶養の被扶養者の認定 】★
 健康保険では、被保険者の一定範囲の家族や親族であって、かつ被保険者によって生計を維持されている人が「被扶養者」になります。
 夫婦がともに働いていて、それぞれが健康保険の被保険者であり、子どもや親を共同で扶養しているような場合にどちらの被扶養者になるかは、協会けんぽでは、健康保険が政府管掌であったときに出された通達に基づいて、認定が行われています。
 それによれば、年収の多い方の被扶養者とすることを原則として、夫婦双方の年収が同程度である場合は、届出により主として生計を維持する者の被扶養者とすることとした上で、その趣旨については次のように示しています。

(1)夫婦いずれの被扶養者にするかについては、画一的に年間収入の多い方の被扶養者とすることなく、年間収入の多少を認定に当たっての判断材料として、当該の家計の実態、社会通念等を総合的に勘案して行うものであること。

(2)年間収入の少ない方の被扶養者とする旨の届出があった場合でも、当該届出の趣旨を踏まえ、当該家計の実態等に照らし、主として年間収入の少ない方により生計を維持している者と認められるときには、年間収入の少ない方の被扶養者として差し支えないこと。

 こうした柔軟な取扱いをするのは、近年では、夫婦のライフスタイルが多様化し、どちらの収入で家計を維持しているのか判断することが困難であり、単純に収入の多さで判断する必然性が乏しくなっていることなどから、夫婦いずれかの届出に委ねることにするほうが合理的だという考え方に基づいています。
 以上のように、夫婦が共同で扶養する場合は、基本的には年収の多い方の被扶養者とすることになっていますが、年収が同じ程度である場合や、年収が少ない方の被扶養者とする届出があった場合の認定にあたっては、家計の実態などを勘案することになっています。
 たとえば、元々は夫の方の年収が多かったものの、残業代が減り、賞与がカットされるなど一時的に収入が減って、その間、子どもが主に妻の収入を頼りに生計を維持しているような場合などは、妻の被扶養者として認められることになります。

★ ワンポイント・チェック ★
 協会けんぽに加入する被保険者については、被扶養者ではない配偶者がいる場合、夫婦で共同して扶養する子や親などを新たに被扶養者として届け出る際は、配偶者の年収と被保険者の年収の両方を申告することになっています。
 一方、健康保険組合では、基本的には同じ健康保険制度のもと、協会けんぽと統一的な取扱いで認定が行われていますが、届出の際には独自の確認資料を必要とする場合もあります。

人事・労務管理のことなら
閃光舎へお気軽にご相談ください。

お問い合わせ・ご相談はこちらから