労務ニュース

社内行事中に事故でけがをしたら?

      ー社会保険・ワンポイント ゼミナール

 (労災保険)

◆【 質 問 】◆

 当社では、ここ数年の恒例行事として休日にウォーキング会を実施しています。先日実施した会で、世話役をしていた社員が足を滑らせて捻挫してしまいました。
 すべての従業員に参加を呼びかけていますが、強制してはいません。ただし、数名の世話役は毎回役員が指名していて、辞退はできないことになっています。
 その場合、この社員のけがは労災保険が適用されるのでしようか?


◆【 解 説 】◆

★【 業務上災害の認定 】★
 労災保険が適用される業務上災害とは、労働者が事業主の支配下にある状況で、災害発生の原因が業務そのものにあることをいいます。したがって、就業時間内であっても、業務を逸脱していた場合や私的な行為など、けがを負った災害の原因が業務以外にある場合は業務上災害とは認められません。


★【 会社行事に参加中の場合は 】★
 スポーツ会や催し物など、会社主催の行事であって、その参加中にけがを負った場合は、行事に参加することが「業務」と認められなければ業務上災害とは認められません。
 参加することが業務であるかどうかの判断については、その行事の目的などに鑑みて、参加が事業の運営に社会通念上必要と認められるものであったか、参加が強制されていたか、などがポイントとなります。

 参考までに、労災保険に関する通達では、運動競技会に出場中に被った災害について、業務上とする場合の判断基準を具体的に次のように示しています。(一部抜粋)

●対外的な運動競技会に出場した場合(次のどちらの要件も満たすこと)
①運動競技会出場が出張または出勤として取り扱われるものであること
②運動競技会出場に関して、必要な旅行費用等の負担が事業主によって行われ、労働者が負担するものではないこと

●事業場内の運動競技会に出場した場合(次のどちらの要件も満たすこと)
①運動競技会は、同一事業場または同一企業に属する労働者全員の出場を意図して行われるものであること
②運動競技会当日は、勤務を要する日とされ、出場しない場合に欠動したものとして取り扱われること

★【 世話役の指名は参加の強制か 】★
 今回のケースでは、ウォーキング会が定例的に開催されてはいますが、従業員全員が参加しなければならない行事ではない状況ですので、一般参加の従業員がウォーキング中に負ったけがの場合は労災と認定されないと考えられます。
 しかし、使用者側の立場にある役員から世話役に指名された社員は、世話役の辞退ができないなど、いわば参加が強制的であって、会社主催の行事の運営に携わることが命令されているような状況であると考えられます。
 世話役がもしも参加しなかった場合の賃金の扱いなどが明らかではありませんので、断定はできませんが、参加することが業務であると認められる可能性は高いといえます。

人事・労務管理のことなら
閃光舎へお気軽にご相談ください。

お問い合わせ・ご相談はこちらから